今日もわんにゃん日和

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ほめるしつけは時間がかかる?-エンパワーメントの考えに基づいて

やっとブログを書く時間ができました。
本当は優先しなきゃいけない記事が山積みなんだけれども、忘れたくないのでこちらを先に。

今日の、チャーリーママさんのブログが非常に私的に今興味深い話なので、トラックバックで
書かせていただきます。

「NO以外で伝える」http://charliemama.weblog.to/archives/5396310.html

「犬は叱らなきゃわからない」という発想、罰あるいは嫌悪刺激を与えなければ
しつけとして成立しない、という考え方の中には「即効性」という考え方があります。

で、これはある意味、正しい部分がある(と、思われる、と書いておきましょう)
要するに、罰あるいは、嫌悪刺激によって、一度はある行動が止まる。
例でいえば、「外を犬が通るたびに吠えまくる犬。空き缶に小石を詰めたものを投げて天罰的に
音をだしたら、びっくりして、吠えやんだ」はい。吠えやみます。たしかに。
びっくりする(あるいはおびえる)からね。

これをもって「即効性」というかどうかだな、と私は思うんです。

「即効性」と「その場限り」の違いっていうべきか。

「NO」あるいは罰によってその行動を止めるだけでは、行動は弱化(減ること)しないですよね。
NO=止まる、 NO=止まる、NO=止まる…を繰り返してしまいます。
行動の目的が変わらなければ。
(行動は、行動する目的があるからおこるもの。目的のために行動している)

問題は「止まった行動を、別の良い(飼い主にとって好ましい)行動に置き換えられるかどうか」
これにつきていると思う。

先日の「飼い主塾」(関東編)でもテーマのひとつとして出ていましたが、

○○しない犬にする」(たとえば、吠えない咬まない
という発想をやめて、

○○できる犬にする」(たとえば、吠える代わりに飼い主の顔を見ることができる、咬む代わりに後ずさることができる
という発想の転換をする。
すると、やるべきことや目標が見えてきて、なおかつ、罰を与えなければいけないという発想から
解放される
(飼い主さんが)ということではないかと。

「○○できる」は、シェイピング(たとえば、オスワリだとかフセの、あえて言えば芸を教える)で可能なので、これに罰を用いて教えない、というのは、誰しも(どんなしつけ方を用いている人も)納得する考え方のはずだ。

で、問題になるのは「行動を止めるのに、叱りあるいは嫌悪刺激を使わなければならないかどうか?」

こんな風に言われると思う。

「犬に向かって激吠えしちゃってるのを止めるのに、おいで♪なんてやさしく言ったって
止まりゃしないでしょうよ、チェーンでガッツンしてや~っと聞こえるんだから」

そりゃ~そうだ。聞く耳持てないほど興奮しているのをいきなり止めようとしたって確かに無理。

じゃあ、その前に止められないのか、ということ。

「犬に向かって激吠え」という行動に至るまでのプロセスは、もっと細分化(階段を小さくすること)できるはずだ。

(1)見えるか見えないかのところに犬がいる。

(2)10メートル先に犬がいる。

(3)5メートル先に犬がいる。

(4)3メートル先に犬がいる。

どの時点で吠えだすか。これは、たいていの飼い主さんは「わかってること」だろうと思う。
たとえば、(2)の10メートル先であれば、たとえば15メートル先であれば、吠えださない。
としたら、激吠えに至る前に、なんらかの別の行動(オヤツたべさせるんでも、方向転換させるんでも)
を取らせることさえできれば、「褒められる=正解だよと教えられる」。

叱らないで済むわけである。

この時点で、激吠えにショックで(叱って)止めさせるか。15メートル手前でアテンションとって(褒めて)止めさせるか。
かかる時間は、あんまり変わらないだろうと(多少へ理屈だけれども)。

問題となるのは、そこから先、「犬を見ても吠えださない犬になる」=「犬を見ると飼い主にアテンションをとれる犬になる」
までの時間を天秤にかけてどうか
、ということではないだろうか。

答えは、ちょっと後回しにする。

・・・・・・・・・・・・・・

ここで、私は、エンパワーメントという考え方を紹介したい。
(知ってる人は大勢いると思うけれども)。
実は、私自身、聞きかじりで申し訳ないけれども、私の本業である、医療分野の取材で最近、ある先生から
うかがって非常に「膝を叩いた」話なのだ。

エンパワーメントとは、ちょっと乱暴な解釈だが、
「相手の行動を好ましいものに変えようとするとき、頭から指導するのではなくて、
相手の意欲や自発的行動を引き出すよう働きかける」
こと、である。

もともとは経済関係の用語で、詳しくはこちら↓(短いから読んでね)
コトバンク「エンパワーメント」

なんじゃそりゃ? でしたか? そうかも。
私の聞いた話に沿ってちょっと解説を試みてみます。

話は、糖尿病患者さんの治療にかかわる。
糖尿病とは、ご存じ生活習慣病で、一度糖尿病になってしまうと、生活習慣を改善していかなければ、
薬やインスリンだけでは、血糖コントロールといのはできないものだ、ということを簡単に覚えておいて
ください。

さて、生活習慣を改善するとはなんぞや。

血糖値が上がるような食事習慣を変える。
運動をして、血糖値を下げる、体重を減らす。

めっちゃ簡単にいえばこうなのだけれども、これが「簡単でない」ことは、健康な一般人だって
よくよ~く知っていることだと思う(私が一番わかる!)。

すなわち、大好きな甘いもの、脂っこいもの、お酒を減らす、食べる量を減らす。
面倒くさいウォーキングを毎日やる。
毎日時間を決めて血糖値を自分で測定する。

そう、これは「行動を変化させなければ、病気をコントロールできない」という話なのだ。

で、糖尿病にかかると、病院では医師や医療スタッフに、「療養指導」をされる。

「○○さん、あなた血糖値がちっとも下がってないよ。血糖値下げるには、こんなにお菓子食べてたんじゃだめじゃない! お菓子食べるのをやめられないんなら、もうどうなったって知らないよ!」

なんて、医師に叱られるというのが、糖尿病治療の現場での「よくある会話」なわけである。

叱られても叱られても、お菓子はやめられない。血糖コントロールは悪く、糖尿病は悪化の一途。
医師も患者も、毎度毎度、いやな思いを外来で繰り返してしまう、という悪循環になりやすいという。

これじゃ患者さんのためになってないんじゃないの?と思いついた人たちがいて、
アメリカで、治療にエンパワーメントの考え方を持ち込んだという。

つまり、患者を叱らない。その代わりに、患者が「できること」を自分でみつけられるように
導いていく話し方、接し方を心がけるという方法
だ。

「お菓子を食べない」患者さんになってもらおうと叱る

代わりに

「お菓子を少し減らすことができる」患者さんになってもらうために働きかける。

さて。治療の目的は、「自分で生活改善ができる」ことである。

叱って怖がらせて(悪くなるよって脅かして)一気に生活改善に導くか、
患者さんの心理的な障壁を下げたり、できることを一緒に考えて、スモールステップで生活改善に導くか。

後者が、エンパワーメント的な解決方法なのだけれども、さてどちらが短期間で患者さんを目標に
近づけられるか。

外来で「話をじっくりする」時間がかかることもあって、学会などで発表しても医師たちは

「叱ったほうが(今までどおりの指導の仕方のほうが)早い」
「エンパワーメントのほうが短時間で解決できるというエビデンス(証拠)はあるのか?」

といった反応が多いそうです。

事実、これはまだ、統計的な答えが出ている話ではないのだそうです

この方法を日本で提唱している先生(私が話を聞いた人ね)は、長年、叱り続ける「説教外来」に
なっていることに疑問をもちつづけて、エンパワーメントの方法に至ったそうです。
それで手ごたえはというと

「エンパワーメント的なやり方は、一回の外来は、話をする時間が長くなると思う。
けれども、目標に導くまでの時間は、こちらのほうが短い、つまり、患者さんとかかわる
トータルな時間は確実に短くなっている」

その上、一番大事なことは

「叱りつけたりしたことがもとで、患者さんとの関係が悪くなり、治療に来なくなるという
一番困ることが、まず起きない」

そして、一番感じることが

「患者さんとの関係を上手に築くことができる=医師が一番気にしていること、が確実に
達成できて、医療者側の達成感(仕事としては大事なことだよね)が感じられる」

だそうです。

ということで、課題は「本当に時間が短くなるのかを、検証していきたい
と伺いました。

・・・・・・・・・・・・・・・

さて。

「そっくりだ」
と思いませんでしょうか。

私は、取材しながら、頭の中は「犬のしつけと一緒だぁ」という考えでいっぱい(爆)

「叱るほうが早いか褒めるほうが早いか」という話の答えにもっていくと、

「私は、褒める(別の行動をさせて正解を与える)ほうが、目標に近づく時間は早い」
と感じている。

私は叱っていないので、じかに時間を比べることはできないです。
たくさんの犬の行動修正をしたわけでもないので、統計的なことも言えません。

ですが、たとえば、麟の犬への突進&ギャウ&転嫁咬み、という行動に関して言えば、
取り組みから1年半が経過して、確実に良くなっている。

突進してもNOは言わず、リードが張ったら止まって戻って私の横でおやつを食べる、という
行動に地道にスモールステップで変化させていった結果、今、麟は脚側で歩くことができるし
犬を見ても過剰な反応をしなくなっている。

ギャウギャウ言い出したらどんな声も聞こえなかった「柴耳ギョウザ」は今はもうない。
小さな「麟た~ん♪」という声で、笑顔で戻ってくる犬になっているのは確か。

私がもし、チェーンカラーを使って麟を締め上げる方法をとっていたとしたら…。
苦手な犬+嫌悪刺激で、ますます悪くなっていたということも否めない。
少なくともこの笑顔には出会えなかったのは、確かなことではないかと思う。

結果的に、1 年半という時間が長いのか短いのか、叱る方法と比較できるのか、といえば
医療におけるエンパワーメントと同じで、そう簡単に統計的な数字は出ないと思う。

けれども、もし、統計的な数字を出していけば、私は叱る方法と、最低限同じであるか、
もしくは短い、あるいは、同じか長いとしても「関係の悪化がなく、達成感がある」
という、心温まるプレミアがつくのではないかと感じている。




関連記事

*Comment

私も以前、ヘルスカウンセリングを実践する薬剤師さんに取材したとき、このエンパワーメントと同じような考え方を聞いて、ものすごく納得した覚えがあります。
薬を飲まない患者さんに対し、何で飲まないのか、飲めないのかを一緒に考えていって、患者さん自身がその答えに自分で気がついて、行動が変容する、というものでした。
脅かして薬を服用させる、納得した上で薬を飲む、どちらも「薬を飲む」行動は同じかもしれないけど、どちらがより長続きするものか、生活に根付くかは一目瞭然ですよね。
医師との関係性を考えても、どちらの患者さんがしあわせかということも。
動物の世界にも、医療にも、こういう考え方が広まっていって欲しいです。
  • posted by ぽち(卯唄ハハ)
  • URL
  • 2012.04/14 19:38分
  • [Edit]

教育の現場でも

亮子さん、ご無沙汰です。
エンパワーメントに結びつくかどうかはわからないんだけど。

娘がね、JICAの任務でタンザニアの教員をしている話はしたでしょ?
娘が任地に赴いて約1年が過ぎたわけだけど、アフリカに教員として派遣された隊員が一番大きくぶち当たるのがアフリカの社会に浸透している【体罰の壁】らしいの。

“体罰”が否定されつつあった日本に育った娘は、当然教育の現場で体罰を使うことなんて考えもつかずに仕事を始め、日本流のやり方で自分の知識を伝えようと努力したんだけれど、結局生徒たちの学力は落ちるばかりで、挙句に校長や同僚からは「体罰を使え」と指示されるは、生徒たちからさえ「先生が体罰を使えないことを皆は知っている。」と言われ、とうとう娘は「一度体罰を使って、使えないわけじゃないことを知らせなきゃいけないかな・・・」とこぼすまでになっちゃったのね。

この1年母は、「体罰に頼らずにたった一人の生徒にでも“学ぶことの喜び”を伝えられたら、それはあなたの任務の成功なんじゃないかな。」って、いい続けてきたつもりだった。

でね、昨日の娘のFaceBookの書き込みに「生徒から手紙をもらった。」って。
『This short notice is to apologize for having failed your previous examination despite all we did. To my side I have improved; at first term of form5, I got 7% on BAM(maths). The second term I got 19% and now 29%. I know I have discouraged you but I have not given up yet. I believe with my little steps. I will reach to a good performance.』

きっとね、この生徒と娘は心が繫がったと思うの。

「そっくりだ」よね。
私は、娘と話しながら、頭の中は「犬のしつけと一緒だぁ」という考えでいっぱい   なのよ。  

  • posted by ぐーぐー
  • URL
  • 2012.04/22 10:07分
  • [Edit]

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プロフィール

中村 麻衣(亮子@クウカイママ)

Author:中村 麻衣(亮子@クウカイママ)
【私】
ピーナッツ県在住
愛玩動物飼養管理士1級
J-HANBSインストラクター
4ワン1ニャンの母
地域の犬猫ボランティア
本業・医療を専攻するライター

もう我が家に犬猫は増やせませんともさ!!

【レイ】
MIX猫去勢♂ 
1998年生まれ
民間保護施設より譲受
白黒の変顔じいちゃん
2015年2月11日卒去

【めめ】
MIX猫避妊♀
推定2004年生まれ
近所の公園で保護
究極のお膝にゃんこ
FilVプラス
2014年3月29日卒去

【クウカイ】
MIX犬去勢♂
2005年生まれ
香川県高松市で保護
くちょ真面目むぱぞう
9歳でクリッカードッグとしてデビュー
たまにAAEのわんこ先生を務める。

【麟】
柴犬去勢済み♂
推定2006年生まれ
近所の公園で保護
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クリッカー柴の道を驀進中。


【キララ】
MIXメス 2004年生まれ。
もと福島の被災犬
面倒見がよく物見高いお嬢様
セラピードッグ、AAEの
わんこ先生として活動していたが引退。

【ゴンザレス・チャーシュー】
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福島は新地町で保護される。
オスなのに乳腺腫瘍発症。
良性だったけどFIV+だし、
ウチの子決定。現在8.1キロ。

【サチコさん】
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(2015年6月18日現在)
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