今日もわんにゃん日和

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ゆれるともし火



失禁と嘔吐

ソウジの衰弱が、急激に進み始めた。
3日土曜日、友人たちとその小さな娘が遊びにきてくれた。かつて、ソウジがたくさん遊んでもらった小さな女の子に、ソウジの病気はもう治らないこと、まもなく、この世からいなくなってしまうことを告げ、お別れをしてもらった。ソウジは、小さな手に応えて、シッポを振ってみせていた。

この日の前日から、ソウジは自分から何一つ食べようとしなくなっていた。食べ物を差し出しても、においすら嗅ごうとしない。強制給餌でも、スープ状のものだけはなんとか飲み込むのだが、濃度のある流動食は、口の中から出してしまう。12cc入るシリンジは口が大きすぎるので、3ccの小さなシリンジ3本を用意して、一度で10cc程度、一日3回から4回飲ませたが、そのうち3割ぐらいは、口からこぼしてしまっているのではないだろうか。

シリンジをくわえさせられたソウジの目は、「もう、何もいらないよ」と言っている気がした。強制給餌すると、目が怒っていたのだが、怒りが消えてきて、拒否だけが残っているような感じ。怒った目よりずっと切ない。

4日未明、物音で起きると、ソウジはふらつきながら歩いていて、どすんと腰を落としてそのまま横倒しになり、荒い息をついていた。助け起こすと、しばらくして呼吸も普通にもどり、また箱の中に入って眠った。

日照時間が、どうしてこんなに短いのか。
せめて、ソウジにひなたぼっこをさせてやりたいのに。
そのわずかの日差しの中に、ソウジを出してやる。すると、ソウジの目がわずかに輝きを取り戻して、どこかへ行きたい目つきになる。だけど、もう2、3歩歩いてはしゃがみこみ腹ばいになってしまう。
庭に出したまま、私は少し離れて鉢植えに水をやったり、アオムシを退治したりしながら、ソウジに話しかける。小さい声の返事と、シッポふりふりが返って来る。

その夜、ソウジは失禁した。
失禁というより、脚の麻痺がきて、立ち上がれず、トイレまで行く気力がなくて、そこでしてしまったという感じ。尿で汚れた尻尾を、そのままにしている。いくら後始末の悪いソちゃんでも、そんなことは猫としてありえない。よほど、動くのがつらいのだろう。

5日未明、やはり物音で起きる。
ソウジが、嘔吐していた。一番恐れていた嘔吐だった。嘔吐が来たら、強制給餌ができなくなる。赤っぽい水が大量に吐かれていた。胃液と、a/dのにおいがした。そして、かなり前に庭に出たときに食べた草がそのまま出てきていた。便をしないので、そうじゃないかと思っていたが、やはりまったく胃腸が動いていないらしい。

嘔吐は幸いにも長く続かず、胃の中のものを吐いてしまうと、ソウジはまたクローゼットの中に入り込んで、眠ろうとしていた。スポーツ後に使う、酸素の小さなボンベを数本、スポーツ用品店で購入してあった。少しだけ酸素を吸わせてやると、呼吸は楽になるようだった。

もう、病院へは行かないからね

5日午前、ソウジをバスケットに入れて、H先生のところへ。
まったく抵抗せず、バスケットの底にうずくまるソウジ。
ひとつの決意をして、車に乗る。もう、これで病院は最後にしてやったほうがいいだろう。

体温、35.7度。平熱が38度代なので、あきらかな低体温だ。嘔吐のショック症状が出ているかもしれないという。口の粘膜は、真っ白。貧血もきわまってきている。
これまでの経過を報告する。

「血圧を上げる薬を打つこともできるし、点滴でしばらくは調子が上がるかもしれないですが、ここ2日ぐらいが山になりそうですね。あとは、飼い主さんの意見はどうでしょうか?」

予想通りのH先生の言葉だった。

「もう、給餌や薬などは、ムリしてやらなくてもいいいですね?」
「ええ、そう思います」
「嘔吐は、消化器官がまったく動いてないという意味ですよね」
「そうですね。吐き気止めは打てます。セルシンなら、脳に作用して吐き気を止めるけれども、精神安定剤だから、眠ったままになる可能性もあるかも。プリンペランなら、胃腸を動かして吐き気を止めるけれども、セルシンよりはこの場合は効き目が弱いかもしれません」
「嘔吐は1回だけで、その後水は飲んでるけれども、もう吐いてませんから、たぶん胃腸が動かなくて草が詰まってたせいだと思うので、プリンペランにしてやってください。まだ眠ったままになるのは、ちょっとつらいもの」
「じゃあ、輸液とプリンペランだけにしましょうね」
「ええ、お願いします」

肺に水はたまっていない。心臓も、鼓動が早いけれども、しっかり打っている。
「いろいろこの子にはあるけれども、やはりこのまま、貧血が進行してなくなる可能性が高いですね」
「そうなれば、ある意味幸いです。眠ったままになりますか?」
「そうね。眠れたらいいなっていう感じかな。もしも、うんと苦しむようだったら、そのときは連絡くださいね」
「へんな話ですが、この子は皮膚病でボロボロにもならず、今もひどく痛がってるとか苦しんでるわけじゃなさそうだし、よかったと思って・・・ごめんなさい、やっぱりつらくて」
涙が、こぼれてとまらない。看護士のMさんが、黙ってティッシュの箱を差し出してくれる。

最後の輸液は、念入りにあたためた液を入れてくれた。ソウジは、ちっとも痛がらず、文句も言わない。昔から病院度胸は据わってた。だまって輸液を入れ終えると、バスケットに抱いて戻される。
「帰ろうね、帰ってゆっくりしようね」

バスケットの蓋を閉めるまえに、H先生がかがみこんだ。
「ソちゃん、お~い、いい子だね」
ソウジの頭を、くしゃくしゃと指先でなでる。
さよなら、とは言わないけれども、それが、先生のお別れの気持ちのようだった。
6年間、ありがとうね。ソウジはまだ生きてるけど、もう、連れてこない。

まだ、消えてないよ

輸液は、輸液なりの効果があった。ソウジは一時的にだが、体温が上がっているようで、帰ってきたら気分がよさそうだった。庭に出してやると、また気持ちよさそうにしている。

だが、失禁の回数が多くなってくる。時間を見計らってトイレに連れて行ってやるのだが、その前にしてしまっていることがある。びしゃびしゃのソウジをふいてやり、後始末をする。ペットシーツをあちこちに敷き詰め、その上に寝かしてやるのだが、体温が低いわりには、フローリングの上が気持ちいいらしく、そこに寝てしまう。ダンボールで「終の寝床」を作ってやっているのだが、クローゼットに入りたがるので、居場所を作ってやる。

6月6日朝。

ソウジの命は、まだ消えてない。
ふらつく足取りで階段を下り、風呂場で水を飲もうとさえする。無理させないようにと抱き上げると、「やりたいようにやらせてくれ」と啼く。
動くつもりなら、おなかも空かないか? だめもとで、スープを用意して差し出してみる。
鶏がらと、かつお節のスープ。

おたまに半分ほどを、器に入れて差し出してみると、なんと、ぺちゃぺちゃ飲み始めた。
5日ぶりに、自発的に何かを「食べようと」したのだ。生きる気力が、まだ消えてない。

少し悩んだ。だったら、強制給餌しようか。

やっぱり、やめた。

もう、「おいしいものを口に入れる」ことだけしか、食事の意味がないから。
体力をつけるとか、栄養をつけて体調を整えるとか、そういうことは、考えたって無駄。
だったら、考えないで、ソウジが欲しいというなら、それだけにしてやればいい。

クカの学校の日で、午前中、誰も家に居なくなるのが心配だったが、スープを飲む気があるなら、勝手にそのまま逝っちゃったりしないだろう。出かけようとしたら、また失禁。シマツをしてたら遅刻。

帰ってきたら、ソウジはクローゼットから出て、部屋の外に出たそうにして待っていた。
よかった。また、わずかの時間、ひなたぼっこをさせる。

午後五時半ごろ、開口呼吸が見られる。犬は体温調節のために口を開けてハァハァ呼吸をするのが普通のことだが、猫が口を開けて呼吸するのは、一種の呼吸困難だ。ソウジは、ときおりハァ、ハァと2、3回口をあけて呼吸し、また普通の呼吸に戻る。酸素を吸わせてやり、新しいボンベを買ってきてやる。

風呂場に下りてくるのに、水を飲もうとしない。飲みたいらしいのだが、途中でやめてしまう。姿勢が苦しいわけじゃなさそう。なんだか、「これじゃなくて、別の水」と言っている気がする。猫は、水ひとつとっても気難しい。器や場所にこだわる猫がいる。水道の蛇口から流れる水を飲みたがる子もいれば、洗い桶の水しか飲みたがらない変わり者もいる。ぬるま湯がいい子もいれば、冷たい水がいい子もいる。
ソウジは、今、どんな水が欲しいんだろうか。

蛇口からたらいにむかって流してみたり、お湯を出してみたりするが、やはり飲まない。それなのに、風呂場のタイルから離れようとしない。熱はもうないはずなのに。
結局、クウカイの水を飲んだ。

居間の隅の、カーテンの下にうずくまる。カーテンに隠れて姿が見えないけれども、ソウジの体にかかったカーテンが、呼吸とともにわずかに揺れる。ソウジの命が、まだ動いている

6月7日になった。
ともし火は、ゆらゆらゆれて、消えていない。

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中村 麻衣(亮子@クウカイママ)

Author:中村 麻衣(亮子@クウカイママ)
【私】
ピーナッツ県在住
愛玩動物飼養管理士1級
J-HANBSインストラクター
4ワン1ニャンの母
地域の犬猫ボランティア
本業・医療を専攻するライター

もう我が家に犬猫は増やせませんともさ!!

【レイ】
MIX猫去勢♂ 
1998年生まれ
民間保護施設より譲受
白黒の変顔じいちゃん
2015年2月11日卒去

【めめ】
MIX猫避妊♀
推定2004年生まれ
近所の公園で保護
究極のお膝にゃんこ
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2014年3月29日卒去

【クウカイ】
MIX犬去勢♂
2005年生まれ
香川県高松市で保護
くちょ真面目むぱぞう
9歳でクリッカードッグとしてデビュー
たまにAAEのわんこ先生を務める。

【麟】
柴犬去勢済み♂
推定2006年生まれ
近所の公園で保護
趣味・おとしゃんを齧ること
クリッカー柴の道を驀進中。


【キララ】
MIXメス 2004年生まれ。
もと福島の被災犬
面倒見がよく物見高いお嬢様
セラピードッグ、AAEの
わんこ先生として活動していたが引退。

【ゴンザレス・チャーシュー】
MIX猫オス 年齢不詳
茶トラの中の茶トラ
特技はジャイアン系熱唱。
福島は新地町で保護される。
オスなのに乳腺腫瘍発症。
良性だったけどFIV+だし、
ウチの子決定。現在8.1キロ。

【サチコさん】
白柴系ミックス犬、推定15歳超
(2015年6月18日現在)
ゆえあって元主が飼育を放棄したため
我が家へ。亮子は介護者認定。
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いろいろと忍耐づよき配偶者。
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