今日もわんにゃん日和

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生かしてやりたい


チビ猫の里親募集は、一時中止します。

チビ猫を預けて帰宅した私は、ネット上でFIPの情報をたくさん集め、ざっとしたことを勉強しておいた。白血病のほうは、ソウジがそうだったのだから、白血病と胸水・腹水の関係についておさらいする程度だったが、FIPについては、知らない事だらけだった、

FIPの確定診断は、意外に難しい。
FIPv(猫伝染性腹膜炎を引き起こすコロナウィルス)の抗体の検査は、外部検査機関に出さなければならないだけでなく、猫がいわば「常在ウィルス」として持っているコロナウィルスに反応してしまうことが多いのだという。

なので、いくつかの症状を総合して診断することが多い。

血液検査で、免疫グロブリンというタンパク質の一種の価が上昇していること
溜まった胸水・腹水が、「麦わら色」の粘性のある液体であること

この二つが、特に重要になるようだ。

午後3時少し前、クウカイをハウスさせ、私は家を出た。
途中、やりきれない思いが交錯する。これから行って、処置をしてやる間に、チビはもしかしたら死んでしまうかもしれない。もし、処置を耐え抜いても、出てきた結果がFIPであれば、チビは長くて数週間、短ければ数日の命だ。しかも、衰弱していく一方になる。場合によっては、早い目にカミサマのモトに帰してやることを、考えてやらなければならない。

ソウジを亡くしたばかりだというのに。

国道六号に出る交差点で、対向してきた車が、強引に右折を始める。私は左折だ。
馬鹿野郎! 左折優先だろうが!!

セカンドのまま、アクセル全開にして、対向車の前に車を押し込んだ。
自分でも、何やってんだと思ったが、そのまま三速に入れて目一杯アクセルをまた踏み込んだ。
そんな走り方をしていたら、3時少し過ぎに、病院へ着いてしまった。
午後の診療は3時半からだ。私は、病院の庭に通じるフェンスのところで、ノンノとしばらく戯れた。ノンノは、やっぱりとてもかわいい女の子だ。クカのママをめいっぱい歓迎してくれる。
落ち着かなきゃ。

チビ猫は、いくぶん落ち着きを取り戻しているようだったが、やはり大きな呼吸をしている。お腹が大きく膨らんだり凹んだりする。まだ、苦しいんだね。がんばろうね、楽になる。

血液検査の結果、白血病は擬陽性だった。キットではっきりわかるのは、猫エイズが陰性だという白い空白。検査終了の丸印が流れ、白血病の印のあたりまでぼんやりぼやけている。先生は、白血病を疑うという口ぶりだった。白血球数が、上限15000のところ、22300ある。免疫グロブリンは測定していないようだ。

チビ猫の右の胸からわき腹にかけての毛をそり、部分麻酔薬を吹きかける。看護師二人がかりでチビを保定して、私が酸素マスクをかざす。チビが暴れたら、処置を中断して楽な姿勢にさせるのだという。今のチビにとっては、横になるだけで、呼吸が苦しいのだ。

両手両足を伸ばされ、首筋を軽くつかまれて横倒しになったチビは、不安そうな目つきだ。注射器にチューブがつながれ、その先に点滴の太い針がついている。チビの小さな体には、すごく太く見える。だけど、これでなければ、粘液のようなものは抜けないだろう。

針が刺さると同時に、みぎゃぎゃぎゃぎゃ~っ!
どこにそんな力があるのかと思うような暴れ方で、チビが体をくねらせる。やたら小さいはずの声が、せいいっぱい大きく響く。すぐにチビを起こし、酸素をたっぷりと吸わせる。

それが、4~5回、繰り返されただろうか。
ようやく、針が入り、先生がかなり力いっぱいといった感じで注射筒を引く。抜けにくい。かなり粘度の高い胸水のようだ。チビは、ひー、とも、ぐー、とも聞こえる声で、小さくうめいている。

「がまんだよ、がんばるんだよ、チビよ、強い子だね」
私は酸素をすわせてやりながら、声をかけてやることしかできない。

注射器に、クリーム色のねばっこい液体がたまりはじめる。
これは、「麦わら色」って言うだろうか。麦わら色って、もっと茶色いイメージだし、本当はどんなものなのか、私にはよくわからない。だけど、先生はだまって注射筒を引き続けている。
「がんばれ、もうちょっと、もうちょっとだからね」

注射器の目盛りを見つめる。およそ8cc抜けたところで、インターフェロンと抗生物質、ステロイドを逆に入れる。すむやいなや、チビを酸素室に戻す。チビは、大きな呼吸はしているものの、解放されたとたんに、きょとんとしたいつもの顔つきに戻っている。

猫は、病気をとことん隠そうとする動物だ。こんな、小さくてさえも。

だが、やった! 処置は耐え抜いたのだ。

「腹膜炎では、なさそうですね」
え? よかった! でもどうして?
「抜けてきた胸水、ホントは10CC抜きたかったんだけど、ネバネバした膿のようなもので、これだけがやっとだったんですが、伝染性腹膜炎の胸水は、透明でもっと黄色味が強くて、フィブリン(血液中にあって、血球をからめて凝固させる糸)がたくさんある、ちょっと粒々したものなんです。もちろん、完璧に除外されたわけじゃないですよ。でもこの中に、おかしなリンパ球がたくさんあれば、白血病が確定するんです」(おかしなリンパ球とは、未成熟な、形の整わないリンパ球のこと。脊髄の中の血球を作る機能が壊れるために、こんなリンパ球がたくさん増える)

ちょっとホッとする。一番怖いFIPであれば、チビのみならず、レイの命の危険さえある。だけど、白血病であれば、レイにはうつり難いことがわかっている。

抜けた胸水をスライドに塗りつけ、染色して顕微鏡にかける。しばらく顕微鏡を見つめ続けて、そのあとかなり長いこと、先生はだまったまま頭をかかえたように、考え込んでいた。なんだろう??

「実は、おかしなリンパ球が見えないんです。そのかわり、好中球(白血球の一種で、細菌などを好んで餌食にする、貪食細胞といわれるもののひとつ)がたくさん見える。ということは、これは白血病ではなくて、膿胸の可能性が出てきたんです」

「膿胸?」

「細菌感染です。それにしては、細菌の姿も見えないので、実は白血病も捨てきれるわけじゃない。だけど、なんらかの細菌感染であれば、この子は処置によっては助かる可能性があるということです」

そう言って、先生は膿様の胸水を一滴手につけて、そのニオイを念入りに確かめ、ひとつうなずくと、手をきれいに洗った。

「やはり、これは膿です。膿特有のにおいもある。外傷なんかが原因の膿胸は、たとえばソウちゃんがそうだったみたいな、外で喧嘩ばっかりしているような猫ではよくある病気です。その場合、胸にチューブを通して固定して、膿を吸い出してやり、生理食塩水や、それに抗生物質を入れたもので胸腔内を何度も洗ってやることによって、完治する場合も多いんです。ただ、こんなに小さな子で膿胸というのは珍しいし、チューブの固定も難しいことは難しい。はっきり言ってイチかバチかになります。だけど、賭けてみる可能性はあると思う」

そう、このままでは、やっぱり100パーセント、この子は死ぬ。
膿を抜き続けるのも、何度も同じ危険性を冒さなければならない。
軽い麻酔が必要で、それもリスクにはなるのだが、針を刺す処置は一度で済む。
だけど。。。
それでも、この子の体が耐え切って完治する確率は?

「20パーセント…」

今度は、私が頭を抱え込む番だった。
助けてやりたい。なんとか、治るほうに賭けてやりたい。
だけど、苦痛もあれば危険もある。そのまま死ぬ可能性も高い。

そして、費用がたくさんかかる。私は自営業だ。しかも収入は非常に不安定で、その上、レイとソウジの闘病とクウカイの教育費と養育費で、はっきり言って使い果たしているのが本当のところ。

もし、これが確実に治る、というのであれば、即答で「やってください」というだろう。
だけど…。でも…。

先生は、保護猫だから、と、実費でいい、とまで言ってくださっている。今でもいろんな費用を抜いてくれているようなのだ。苦しまないのなら。生きられるのなら。どうにかしてやりたい。

どうしてやったらいいの? チビよ、あなたはどうしてほしいの?

チビ猫は、酸素室のなかで、私がかざす手を無心に目で追っている。
少し楽になったのだろう、片手を伸ばして、私の手に触ろうとする。まだ、呼吸は大きいけれど。

ともあれ、今日はこのまま、酸素室だ。
私は、帰ってから夫に相談することにした。

チビ猫は、楽になったのか、看護師さんの手から、a/d缶をもらって、食べている!
この子は、生きたがっている。死にたい動物など、どこにもいるわけがない。

「もし、この子が完治したとしたら、里子には出せなくなりますよ」
「ええ、そのときはもちろん、うちの子にします」
「だけど、これ(里子のポスター)は、ウチで預かっておきますね、お守りにしようね」
看護師のMさんが、笑ってポスターをはがし、折りたたんで奥へ持っていく。
この人の、こういう心遣いにこれまで何度助けられていることか。

気持ちのほうは、生きるほうに賭けることに、傾いている。費用は、なんとか工面できるだろうから。
だけど、現実問題、助かる見込みの薄さは…。先生は20%と言ったが、ぎりぎり上を見て、という話ではなかろうか。苦しませたくない。長引かせたくない。人間の子供なら、まだ2つか3つの赤ん坊なのだ。

夫が、早く帰ってきてくれる。経緯を説明して、しばらく話し合う。
気持ちは同じ。私より彼のほうが、ずっとこの子に情が移っているし(最初から里子には出したくなさそうだった)財布も私よりずっと、「なんとかなる」。だけど私は、彼に「どんなにかかっても出してくれるの?」とは聞けない。私が前と同じように働けないせいで、彼にはとことん迷惑をかけ続けなのだから。

結局、明日、一緒に病院へ行き、チビの顔を見て最終的に決めよう、ということになった。
前提として、先生に「お願いします」と言うことにして。

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プロフィール

中村 麻衣(亮子@クウカイママ)

Author:中村 麻衣(亮子@クウカイママ)
【私】
ピーナッツ県在住
愛玩動物飼養管理士1級
J-HANBSインストラクター
4ワン1ニャンの母
地域の犬猫ボランティア
本業・医療を専攻するライター

もう我が家に犬猫は増やせませんともさ!!

【レイ】
MIX猫去勢♂ 
1998年生まれ
民間保護施設より譲受
白黒の変顔じいちゃん
2015年2月11日卒去

【めめ】
MIX猫避妊♀
推定2004年生まれ
近所の公園で保護
究極のお膝にゃんこ
FilVプラス
2014年3月29日卒去

【クウカイ】
MIX犬去勢♂
2005年生まれ
香川県高松市で保護
くちょ真面目むぱぞう
9歳でクリッカードッグとしてデビュー
たまにAAEのわんこ先生を務める。

【麟】
柴犬去勢済み♂
推定2006年生まれ
近所の公園で保護
趣味・おとしゃんを齧ること
クリッカー柴の道を驀進中。


【キララ】
MIXメス 2004年生まれ。
もと福島の被災犬
面倒見がよく物見高いお嬢様
セラピードッグ、AAEの
わんこ先生として活動していたが引退。

【ゴンザレス・チャーシュー】
MIX猫オス 年齢不詳
茶トラの中の茶トラ
特技はジャイアン系熱唱。
福島は新地町で保護される。
オスなのに乳腺腫瘍発症。
良性だったけどFIV+だし、
ウチの子決定。現在8.1キロ。

【サチコさん】
白柴系ミックス犬、推定15歳超
(2015年6月18日現在)
ゆえあって元主が飼育を放棄したため
我が家へ。亮子は介護者認定。
得意技は「5歳若かったらただじゃおかない」ムキ顔。


【おとしゃん】
いろいろと忍耐づよき配偶者。
寛容だが犬扱いは依然へたくそ。
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